数年ほど前まで、賃貸物件を契約するには連帯保証人(以下、保証人)を用意することが一般的でした。
賃貸契約時の保証人とは、家賃の滞納が起こった場合に、借主に代わって家賃を支払う人のことを指します。
しかし最近では、身近に頼める人がいないという理由から、賃貸物件の保証人を用意できないケースも珍しくありません。
結論からお伝えすると保証人なしでも賃貸物件は借りられますが、いくつか注意が必要です。
この記事では、保証人なしで賃貸物件を契約する方法と注意点について解説します。
保証人なしのメリット・デメリットをしっかりと理解し、安心して引っ越しをしましょう。
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保証人なしでも借りられる!賃貸物件を借りる3つの方法
まずは、保証人なしで賃貸物件を借りる3つの方法について紹介します。
1.保証人不要の賃貸物件を選ぶ
2016年に国土交通省が発表した「家賃債務保証の現状」によると、家賃保証会社や保証人のどちらも不要で契約できる物件は全体の3%です。
そのため、保証人不要で契約できる確率は低いものの、たしかに存在します。
ただし、家賃滞納リスクを防ぐために、約97%の貸主が保証人や保証会社など、なにかしらの保証を求めるのが一般的です。
また、無職の場合は、家賃の支払いに対する不安から、保証人の有無にかかわらず入居制限を受けるケースがあります。
このように、保証人なしの賃貸物件を探す場合は時間がかかることが予想されるため、余裕をもって探し始めることが大切です。
出典:国土交通省住宅局安心居住推進課「社会・援護局関係主管課長会議資料」
2.家賃保証会社を利用する
家賃保証会社を利用すれば、保証人なしでも物件を借りられる確率が高まります。
家賃保証会社とは、決められた保証料を収めることで、契約者に家賃の滞納があった際、代わりに未納分の家賃を支払ってくれる会社のことです。
とくに近年では、保証会社の利用が一般的となり、8割の貸主が家賃保証会社を利用している状況です。
保証会社が家賃の立て替えをおこなうことで、貸主側のリスクが軽減されるため、保証人なしでも物件を借りられるケースが増えています。
ただし、家賃保証会社を利用するには費用がかかります。
入居時の保証料は家賃の50〜100%が一般的で、入居後には1年ごとに1万円程度の更新保証料が必要です。
また、物件によっては家賃保証会社と保証人の両方を求められることもあるので、物件選びの際には事前に確認しましょう。
出典:公益社団法人東京共同住宅協会|相談員新村|最近よく使われる「保証会社」の仕組みと最近の傾向
3.UR賃貸住宅管理の物件を選ぶ
UR賃貸住宅なら、すべての物件で保証人が不要なため、保証人なしで賃貸物件の契約ができます。
UR賃貸住宅とは、公的な機関である独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)が管理・運営している賃貸住宅です。
UR賃貸の最大のメリットは、「保証人」「家賃保証会社」が不要なうえに、「仲介手数料」「礼金」「更新料」も不要であることです。
これにより、初期費用も大幅に軽減でき、手続きも簡素化できます。
ただし、保証人や家賃保証会社の利用がない代わりに、入居審査で収入や貯蓄額の条件が設けられており、それをクリアする必要があります。
また、入居の受付は基本的に先着順のため、気に入った物件に必ず入居できるとは限らない点にも注意が必要です。
UR賃貸住宅を検討する際は、収入条件を確認したうえで早めに希望の物件に申し込むことが重要です。
関連記事:UR賃貸住宅とは?お得なメリットと選ぶ際の注意点を解説します
保証人なし賃貸物件2つのメリット
保証人なしで賃貸物件を借りるメリットを2つ紹介します。
メリット1.手続きがラク
保証人なしで賃貸物件を借りる最も大きなメリットは、手続きが簡素化される点です。
通常、保証人をつける際は保証人の押印や各証明書の発行、そして審査などが必要となります。
保証人なし物件では時間のかかる手続きが省けるので、引っ越しまでの手続きをスムーズに進めることが可能です。
手続きに時間をあまりかけたくない方にとって、保証人なしで借りられる物件は、手続きが簡素で時間効率が良いでしょう。
メリット2. 頼れる親族や知人がいなくてもOK
頼める親族がいない、不仲、保証人を頼めるほどの関係ではないなど、頼れる親族や知人がいなくても、保証人なしで借りられるのは大きなメリットです。
現代の高齢化社会では、両親が高齢で年金生活をしている、すでに亡くなっているなどの理由で、保証人を立てられない人が増えています。
第三親等以内の親族とも疎遠になっている場合や、保証人を用意できない方にとって、この制度は非常に助かるでしょう。
保証人なし賃貸物件3つのデメリット
保証人なしで賃貸物件を借りる際は、デメリットも3つあります。
デメリット1.物件の選択肢が限られる
保証人なしで賃貸物件を借りる際は、前述したように以下の3つから選ぶ必要があります。
保証人が不要の物件
家賃保証会社のみの物件
UR賃貸住宅
すべての物件から自由に選べるわけではないので、部屋の選択肢が減ってしまう点がデメリットです。
デメリット2.人気がない物件の可能性がある
保証人なし物件の場合、入居者が決まりにくく、人気がない物件の可能性があります。
たとえば、人気のない理由として以下のようなことが考えられます。
築年数が古い
立地が悪く不便
暑さ、寒さ対策が取りにくい
雨漏りや傾きがある
収納が少なく暮らしにくい
線路の近くで騒々しい
周辺環境が悪い
「保証人なし」や「相場より安い家賃」などは、条件を緩めなければ入居者が集まらない物件である可能性があります。
そのため、何かしらマイナスの理由があると考えておきましょう。
このように、保証人不要の物件では契約前にしっかりと確認して、後悔しないようにしておく必要があります。
関連記事:賃貸の内見完全攻略!基礎知識から見るべきところや体験談まで徹底解説
デメリット3.出費が増える
保証人なし物件では、ほとんどの場合保証会社の利用が必須となっており、保証料が発生します。
保証料は、入居時が家賃の50〜100%、入居後1年ごとに1万円程度の更新料が必要になることが一般的です。
たとえば、家賃7万円の物件の場合、契約時に3.5万円を支払い、以降毎年1万円の更新料を支払う必要があります。
【保証人なし】家賃保証会社を利用するときの注意点
保証人なしで家賃保証会社を利用する場合、最も影響があるのは入居時の初期費用が増える点です。
敷金、礼金、仲介手数料など、初期費用はもともと大きな負担になりがちですが、さらに保証会社利用料として家賃の50〜100%が追加で必要になります。
このように保証人を必要としない代わりに、費用負担が増えることは理解しておきましょう。
また、利用する保証会社は管理会社指定となっていることが多く、原則自分で選ぶことはできません。
保証人なし賃貸物件は増えてきている!
賃貸物件を契約する際に「なるべく保証人なしの物件に住みたい」と考える人も多いでしょう。
家賃の未払いを防ぐためにも賃貸契約において保証人は重要ですが、近年は保証人なしの賃貸物件が増加傾向にあります。
ここでは、保証人なしの賃貸物件が増えてきている3つの理由についてお伝えしていきます。
理由1.高齢単身者が増えてきている
近年では、高齢単身者が増えてきている影響で、保証人なしの物件が多くなっています。
高齢の単身者が賃貸契約をする際、保証人となる親族も高齢者となるため「年金生活で保証人になれない」「保証できるほどの余裕がない」というケースが多いためです。。
また、親がすでに亡くなっている、家族と疎遠のため連絡ができないというケースもあり、深刻な問題となっています。
高齢単身者が今後も増え続ける日本において、保証人なしの賃貸物件が増えてきているのは必然といえるでしょう。
理由2.外国人が増えてきている
少子高齢化社会が進むなか、外国人居住者が増えており、保証人となる親族が日本国外にいるため、保証人を用意できないケースが多くなっています。
そのため、保証人が必要な制度が理由で賃貸契約が難しい外国人も少なくありません。
保証人なしで契約できる物件は外国人移住者にとってもやさしい仕組みといえるでしょう。
理由3.家賃債務保証サービスが普及した
高齢者や外国人のように、保証人を用意できない人が増えてきていることから、近年では家賃債務保証サービスが普及してきています。
このサービスは「家賃保証」とも呼ばれ、賃貸契約の80%で利用されています。
賃貸物件の貸主にとっては家賃滞納リスクの軽減ができ、入居者にとっても保証人なしで契約が可能となるため、双方にとってメリットがあります。
出典:公益社団法人東京共同住宅協会|相談員新村|最近よく使われる「保証会社」の仕組みと最近の傾向
賃貸物件に必要な初期費用について
一般的に賃貸物件の初期費用は、家賃の4〜6か月分が必要です。
つまり、家賃が7万円なら約28〜42万円、家賃10万円なら約40〜60万円かかってきます。
具体的にどのような費用がかかるのかを説明します。
敷金
敷金は、家賃1か月分が相場で、退去時に部屋を元の状態に戻すための原状回復費や、家賃が滞納された際の補てんとして使用されます。
原状回復費には、部屋のクリーニング代や、壁や床を傷つけてしまった場合の補修費用などが含まれます。
敷金は、原状回復費や滞納分が差し引かれたあと、余った金額があれば返金されるのが特徴です。
礼金
礼金の相場は家賃1か月分で、部屋を貸してくれる大家さんに対するお礼のお金です。
敷金とは違い、退去時に返還されることはありません。
近年では、礼金なしという物件も増えてきています。
仲介手数料
仲介手数料の相場は、家賃0.5~1か月分で、物件を取り扱う不動産会社に支払う手数料です。
法律では、借主の承諾がある場合に限り家賃1か月分まで請求できる仕組みです。
そのため、承諾がない場合、仲介手数料は借主から家賃0.5か月分までしか請求できないとされています。
出典:国土交通省<消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ
火災保険料
火災保険の相場は、2年間の契約の場合、1.2〜1.9万円くらいです。
賃貸では、火災や水漏れなどの際に補償してくれる火災保険への加入が入居条件に含まれていることが多い傾向にあります。
個人で自由に火災保険を選んで加入することもでき、その場合は加入証明を管理会社に提出する必要があります。
前家賃
前家賃は、一般的に家賃1か月分が請求され、翌月分の家賃を前払いで支払います。
また、前家賃とは別に入居が月の途中からの場合は、日割りで引っ越し月の家賃が請求されます。
家賃保証会社の利用料
家賃保証会社へ支払う相場は家賃50~100%です。
家賃保証会社は、家賃を払えなくなった場合に、家賃を立て替えて支払ってくれるサービスですが、連帯保証人がいれば不要なケースもあります。
上記に加え、引っ越しの費用や新居に必要な家具・家電の購入も考えなければなりません。
これらを合わせると、新たに賃貸物件を契約する際には、家賃4~6か月分以上の初期費用が必要となります。
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「賃貸物件の初期費用が高くて払えない!」そのような方も多いでしょう。
初期費用は何も一括で払う必要はなく、クレジットカードやローンなどで分割にする方法はさまざまです。
しかし、多くの場合は金利手数料が発生し、本来よりも多くの金額を支払わなければならない点を頭に入れておかなければいけません。
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保証人なし賃貸物件によくある質問
Q. なぜ賃貸契約に保証人が必要なの?
賃貸契約で保証人が必要な理由は、万が一家賃の滞納が起こった場合、入居者の代わりに家賃を支払う人が必要だからです。
保証人は、入居者が家賃を滞納して行方不明になった場合や、予期せぬ事件や事故などに巻き込まれて支払いができなくなった場合に、家賃を立て替える役割を果たします。
また、入居者に信用が足りない場合には、保証人を用意することで入居が許可されることもあります。
たとえば、パート勤務や転職後すぐで社会的信用が低い状況でも、保証人を用意することで物件を借りられる場合もあるようです。
Q. 保証会社と保証人どちらも必要?
保証人がいても、保証会社の利用も必須とする物件があります。
保証会社は金銭面(家賃や更新料)の保証をおこない、保証人はそれ以外のサポートを担う役割のためです。
たとえば、騒音トラブルなどの問題では、保証人が仲介することがあります。
また、賃貸管理会社が保証会社からキックバック(※1)を受け取るため、保証会社を利用するケースが多いです。
ただし、保証会社が不要な物件もあるので、保証人がいる場合はそういった物件を探すのもおすすめです。
(※1)キックバック:謝礼の目的で授受される金銭のこと
Q. 保証人なしで賃貸物件が借りられるのはなぜ?
家賃滞納のリスクが低い場合には、保証人なしで賃貸物件が借りられることがあります。
たとえば、以下のケースが考えられます。
・家賃保証会社を利用することで、滞納時に家賃を保証してくれる
・安定した収入・資産があるため、管理会社で保証人不要と判断した
また、条件の悪い物件のため、家賃滞納リスクがあっても空室を埋めたいといったケースもあります。
家賃保証会社を利用してリスクを抑えているケースがほとんどですが、入居者が集まらない条件の悪い物件では、保証人なしにしていることもあるようです。
Q. 賃貸契約時に保証人が用意できないときはどうする?
保証人が用意できない場合は、不動産会社に家賃保証会社の利用を提案してみましょう。
保証人を求めるのは家賃滞納があったときに、家賃が回収できない事態を避けるためです。
貸主側からすると、家賃の回収ができれば問題ないので、家賃保証会社利用が最も合理的な提案になります。
一方で、家賃保証会社の利用と保証人どちらも必須としている賃貸物件もあります。
どうしても借りたい物件の場合には以下の提案をしてみるのもいいでしょう。
保証人を立てない代わりに、家賃数か月分を先払いする
預金通帳や給与明細を公開し、家賃滞納の不安がないことをアピールする
Q. 親以外に保証人になれるのは誰?
親以外に保証人になれるのは、安定した収入のある「三親等以内の親族」です。
ただし、親族以外の友人でも安定した職業で支払い能力がある人は保証人として認められるケースもあります。
一方で、親や兄弟でも国外に居住している場合、審査が通りにくくなる可能性があるので、注意しましょう。
まとめ
保証人なしの物件は、手続きが簡単で時間を節約できるというメリットがあります。
しかし、以下のようなデメリットもあるため、十分に理解しておきましょう。
物件の選択肢が狭くなる
人気のない物件の可能性がある
保証料が発生するため出費が増える
契約を進める前に、なぜ「保証人不要」の条件がつけられているのかをリサーチし、理解したうえで決断することが大切です。
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