賃貸物件の内見は、写真や情報ではわからない細部を確認するために重要です。 実際の住み心地や環境、管理状態を把握し、後悔しない選択をするためにも、必ず内見を行いましょう。 しかし、はじめて一人暮らしを始める方や、久しぶりに引っ越しを行う方は、
「内見には何を持って行く?」 「どこを見ればいいの?」
このように感じている方も多いでしょう。
そこでこの記事では、賃貸の内見に関するあらゆる疑問について解説します。
この記事を最後まで読む頃には、自信を持って次の内見に臨めるでしょう。 あなたのお気に入りの部屋を見つける手助けになれば幸いです。
内見の基礎知識
内見(ないけん)とは「内部見学」の略で、物件の状態や設備などを確認することです。
新築マンションや戸建ての物件で「内覧(ないらん)」という言葉を見かけますが、意味としては「内見」と同じ。
内見なしで賃貸物件の契約も可能ですが、内見を行うことは、靴を買う前に試着することと同じくらい重要です。
サイトに載っている写真や間取り図だけでは、わからないことがたくさんあります。 内見を行うことで、入居した後に「こんなはずじゃなかった!」「写真や間取り図と違う!」という失敗を防ぐことができます。
内見にはお金がかからないので、積極的に内見をしましょう。 本当に気になる物件を3~5件ほど回るのが、内見で疲れないコツです。
内見はオンラインよりもオフラインがおすすめ!
近年普及している「オンライン契約」や「オンライン内見」。遠方からの部屋探しを行う方にとって嬉しい制度です。
「2020年度 賃貸契約者動向調査(首都圏) 」によると、オンラインのみの内見実施者が13.5%、オフラインとの併用者が6.2%で、合わせると約2割がオンライン内見を利用しているとのことでした。
しかし、オンライン内見では実際の住み心地や周囲の環境、細かな設備の状態、匂いなどはわかりません。
細かい傷や汚れ、部屋の奥行き、日当たり、隣人の様子など、実際に足を運んで初めて気付くことがたくさんあります。
例えば、日当たりが良さそうな物件を選んだつもりが、実際に内見してみると隣のビルの影になって日中でも暗かったり、静かな環境だと思っていた場所が実際には交通量の多い通りに面していて騒音がひどかったりすることがあります。
これらの情報は、内見を通じて初めて確認できるものです。そのため可能な限りオフラインで内見を行うことをおすすめします。
いつから準備を始める?内見までの流れ
ここでは、内見までの流れを解説します。
物件探しは入居予定日から逆算して、2か月前からはじめるのがおすすめです。気になる物件を見つけて、入居希望日の3週間~1か月半前までに内見を行うのが目安です。
内見までの流れは下記のとおりです。
希望条件を決めて物件を探す
不動産会社に内見の予約をする
内見
気に入れば契約
1.希望条件を決めて物件を探す
家賃やエリア、設備など希望条件を決めて、ポータルサイトで物件を探しましょう。
家賃は収入の1/3以内に収めるのが目安です。 エリアや設備など譲れない条件や妥協できる条件を整理して優先順位をつけておくことが、効率的に物件を探すコツです。
不動産会社に直接行く方法もありますが、大手のポータルサイトで探すがおすすめ。 取り扱っている物件の数が圧倒的に多く、不動産会社を訪ねる手間を省けます。
関連記事:上手なお部屋探しのコツとは?自分に合った理想の物件を見つける方法
2.不動産会社に内見の予約をする
ポータルサイトで気に入った物件があれば、不動産会社に電話やメールで連絡し、内見の予約を取りましょう。
予約をせずに不動産会社に行った場合、待ち時間が発生したり、内見したい物件の鍵を準備できなかったりする可能性があります。 内見したい日の2~3日前までに予約をしておきましょう。
3.内見
内見の当日は、不動産会社の担当と待ち合わせてから、内見する物件まで向かいます。 現地で待ち合わせをすることもありますが、不動産会社から電車や車で内見する物件まで行くことが多いです。
内見では、実際に部屋の状況や設備の具合を確認していきましょう。 サイトの写真や間取り図だけではわからないことを確認していくことがポイントです。
4.気に入れば契約
内見した物件が気に入れば、申し込みから契約へと進みます。 申し込みから入居までの大まかな流れは下記のとおりです。
申し込み
入居審査(1週間程度)
重要事項の説明
初期費用の支払い、契約
入居
内見したからといって、必ず契約しないといけないわけではありません。
内見した結果、物件が気に入らなかったというのはよくあることです。 妥協せずに次の物件探しへと進んでいきましょう。
内見に必要な持ち物と服装
ここでは内見の際に持っていきたい持ち物や適した服装について解説します。 内見を効率よく進め、良い物件を逃さないためにも必要な物を厳選して紹介します。
持ち物や使い方は下記のとおりです。
<スマートフォン>
カメラで部屋の状態や気になるところを撮影しておく
方位磁石アプリで、方位や日当たりなどを確認する
まだ電気が通っていないときに、暗い個所をライトで確認する
<メジャー>
家具や家電を配置できるか、室内を採寸する
収納内のサイズを確認する
玄関口や廊下の幅、カーテンレールの高さも測っておく
計測部分を固定できるアルミ製のメジャーがおすすめ
<間取り図・筆記用具>
メジャーで採寸した数字を書き込んでおく
間取り図と実際の物件で違う部分がないか確認する
周辺環境や騒音、においや風通しなどについてもメモしておく
コンセントの数や位置もメモしておくと便利
<身分証・認め印>
気に入った物件があったとき、すぐ契約の申し込みを行うために持参しておく
契約に必要な書類や持ち物を、事前に確認しておこう
<スリッパ・替えの靴下>
内見する物件のハウスクリーニングが済んでいない場合があるので、念のため持参しておくのがおすすめ
<動きやすい服装>
1日で何件か回ることが多く、部屋の採寸などで動くことも多いので、動きやすい服装がおすすめ
ハウスクリーニングが済んでいない場合もあるので、汚れてもいい服装がおすすめ
<歩きやすい靴>
1日に何件か回ることが多いので脱ぎ履きしやすい靴がおすすめ
内見する物件の周辺を歩くこともあるので歩きやすい靴がいい
内見で確認すべきポイント
ここでは、内見の際に確認しておくべきポイントについて解説します。
内見を効率的に進めて、物件探しで失敗しないためにも押さえておきたいところです。
確認すべき箇所と確認すべきポイントは下記の表のとおりです。
<家具・家電の配置>
家具・家電の配置できるか、室内を採寸する
持ち込みや購入する予定の家具、家電の寸法を測っておくとよい
室内に搬入できるか、玄関口や廊下の幅も確認しておく
<収納>
押し入れやクローゼットなど、収納の量は十分か確認
収納内のサイズを採寸しておく
内見の前に自分の持ち物の量を確認しておく
同棲をはじめる場合は、お互いの荷物と必要な収納の量を話し合っておこう
<間取りや設備>
室内の写真を撮っておき、あとで比較や確認しやすいようにする
内装や設備はサイトの写真と違いないか確認
洗面台やバスルームは使いやすいか確認
シャワーの水圧も確認しておく
<日当たり>
南向きでも、隣接する建物が近いと日当たりが悪いことがある。
方角だけでなく、窓の外の状況も確認する。
<匂い>
飲食店やゴミ置き場が近いとニオイを感じることがある
台所の排水溝、トイレのニオイもないか確認する
<騒音・防音>
道路や線路からの音はどれくらい届くか確認
隣の部屋や、廊下の足音はどれくらい響くか確認
室内で実際に静かにして、耳を澄ませてみるのもおすすめ
<共用部分>
キレイに清掃されているか?
ゴミ出し場のルールは守られているか?
駐車場、駐輪場に空きはあるか?
セキュリティの状況(防犯カメラ、オートロックなど)
<周辺環境>
携帯電話の電波状況
駅から部屋まで実際に歩いてみる
スーパーなど日常的に使うお店は近いか?
道路の混雑状況や治安
可能であれば、朝夕2回の確認がオススメ
関連記事:内見で押さえるべき5つのポイント!快適な部屋を見つけるにはどこを見る?
内見経験者の体験談!やっておけばよかったことは?
ここでは内見経験者の体験談を紹介します。 やっておけばよかったと感じたことをまとめると、以下の通り。
コンセントの位置や数を確認
カーテンの幅と高さを確認
キッチンの高さを確認
排水溝・排水管部分に隙間がないか確認
不動産会社について調べておけばよかった
コンセントの位置や数は住み始めてから不便を感じるポイントで、後から追加したり移動できない箇所なので確認しておいた方が良さそうです。
また、基本的に内見を依頼した不動産会社を通して契約するため、事前に評判なども調べておくと良いでしょう。
その他、引っ越してから後悔したくないという方は以下の記事も参考にしてください。
関連記事:引っ越しで後悔した理由10選!誰でもできるお部屋選びのコツをご紹介
内見に関するよくある質問
ここでは、内見に関するよくある質問に回答します。
内見したけど想像と違った…上手な断り方は?
内見後気に入らなかった場合は、具体的な理由を伝えて断りましょう。
その場で断る場合は、「思っていたよりも日当たりがよくなかった」「周辺の環境が想定していたよりも静かでなかった」「初期費用が予算オーバー」など具体的に伝えると担当者も納得してより希望に沿った物件を探してくれます。
直接伝えることに抵抗がある方は、メールで以下のような文面で伝えると丁寧です。
内見をさせていただき、ありがとうございました。大変恐縮ですが、慎重に検討した結果、今回は契約を見送らせていただくことにいたしました。理由としては、日当たりが思ったよりも良くなかったことと、周辺の環境が想定していたよりも静かでなかったことです。ご案内いただいたことに感謝し、またの機会がありましたらよろしくお願いいたします。
内見後に契約を見送ることはよくあることですが、失礼の内容に丁寧に伝えることを意識しましょう。
内見は1軒あたりどれくらい時間がかかる?
内見は1軒あたり10〜30分ほど想定しておきましょう。 通常1日で2〜3軒ほど周ることが多いため、移動時間なども合わせて2〜3時間確保しておいたほうが良さそうです。
内見をする際の注意点は?
現地までの交通手段を確認しておきましょう。 自家用車で現地に直接行く際は、住民の駐車場に止めないよう注意が必要です。
事前に不動産会社に確認しておくと安心です。
物件の口コミは調べられる?
「マンションノート」「マンションレビュー」などを使うと事前にマンションやアパートの口コミが確認できます。
ただし、あくまで口コミですので、参考程度に自分の感覚で内見を行いましょう。
すぐに内見できない場合は?
入居者を募集している物件の中には、まだ入居中で内見ができない物件もあります。 その場合、同じ物件の空室の部屋を内見したり、部屋が空き次第内見したい旨を不動産会社に伝えてみましょう。
良い物件はすぐ契約したい!初期費用の分割払いならsmooth
気に入った物件があれば、すぐにでも契約したくなるでしょう。 しかし、物件探しに夢中になって、つい忘れがちなのが引っ越しにかかる費用です。
特に賃貸の初期費用は家賃の4~6か月分が相場となっており、引っ越しの費用の中でも大きい割合をしめます。
「初期費用が高くて契約できない」となっては、今までの物件探しの苦労が水の泡です。 引っ越しの費用をすぐに準備できない場合は、分割払いを検討してみましょう。
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まとめ
内見をすることで、自分にとって本当に快適で安心できるお部屋を見つけることができます。内見をしないで物件を借りることは、試着をせずに靴を買うようなもので、実際に住み始めてから後悔するリスクが高くなります。
<内見に必要な持ち物と服装>
スマートフォン
メジャー
間取り図、筆記用具
スリッパ、替えの靴下
動きやすく、汚れてもいい服装
歩きやすく、脱ぎ履きしやすい靴
身分証、認め印
<内見で確認すべきポイント>
家具や家電を配置できるか、室内を採寸する
収納のサイズを採寸しておく
方角だけでなく実際の日当たりも確認する
外からの騒音、物件内の音の響き方、においなど確認する
共用部分の清潔感や防犯状況を確認する
周辺のスーパーや道路状況、治安についても確認する
物件探しに失敗しないためにも、内見は効率よく行っていきたいものです。
内見して、気に入った部屋があれば、すぐにでも契約したくなると思います。
賃貸の初期費用の分割払いに便利なsmoothの活用も、ぜひご検討ください。