賃貸物件には、入居時に支払う初期費用とは別に退去費用という費用があります。
しかし、退去費用の存在を知らず、いきなり高額請求がきて「こんな高額費用払えない…」と困ってしまう方も多いはずです。
そこで、この記事は基本的な退去費用のことや、払えない場合の対処法などについて詳しく解説していきます。
退去費用が不安な方は、ぜひ参考にしてみてください。
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そもそも退去費用とは
そもそも、退去費用とは賃貸物件から退去するときに発生する費用のことです。
賃貸物件では、入居者は退去するときには部屋を元の状態に戻す義務(原状回復義務)があり、そのための修繕費用が必要になります。
とはいえ、この修繕費用は基本的に敷金から補うもので、敷金から修繕費を差し引いて余った分は退去後に返金される仕組みです。
そのため、退去費用とは、敷金では補いきれなかった費用ということになります。
退去費用の相場
退去費用は部屋の汚れ具合や損傷具合によって大きく異なるので一概にはいえませんが、ワンルームで5万円~7万円程度、1LDK~2LDKで12万円~15万円程度、3LDKで15万円以上が相場となります。
一人暮らしでも5万円以上、同棲や家族と暮らしている場合は10万円以上と考えると、結構な負担になることが予想されます。
退去費用が高額になるケース
退去費用の相場をお伝えしましたが、先述したように部屋の汚れ具合や損傷具合によっては退去費用が高額になるケースもあります。
入居者の生活スタイルや使い方によって、退去時に高額請求が発生する可能性もあるので、部屋の使い方には十分注意しましょう。
退去費用が高額になる主なケースはこちらです。
タバコを吸っている
犬・猫などのペットを飼っている
壁や床などに損傷がある
それでは、詳しく解説していきます。
高額になるケース1.タバコを吸っている
部屋の中でタバコを吸っている場合、壁や天井がタバコの成分で黄ばんでしまうことがあります。
また、黄ばみが少なくてもタバコの臭いが染み込んでいる場合、クリーニングが必要になり、退去費用が高額になってしまう可能性があります。
なお、換気扇の下でタバコを吸っていたとしても、目に見えないところで壁に染み込んでいるものです。
普段からタバコを吸っている方は、禁煙者に比べて退去費用が高額になる可能性があることを頭に入れておきましょう。
高額になるケース2.犬・猫などのペットを飼っている
部屋で犬や猫などのペットを飼っている場合も消臭作業が必要になるため、退去費用が高額になるケースがあります。
さらに、ペットが付けた傷なども自己負担になるので、爪で壁を引っかく猫などの動物を飼っている場合は注意しましょう。
また、壁紙だけでなくフローリングが傷付くこともあるので、カーペットやマットを敷くなどして対応することをオススメします。
壁や床などに損傷がある
タバコやペット以外でも、家の中に損傷を与えてしまうと退去費用が高額になります。
とくに注意したいのは、家具などの重い荷物を運ぶタイミング。
荷物を運んでいる最中に壁に激突したりソファを動かす際にフローリングを傷つけたりと、家具家電を動かす際は、なにかと注意が必要です。
また、壁紙に残ったシミなども退去費用の上乗せにつながることがあるので、家の中はなるべくキレイに使うようにしましょう。
退去費用を払えないとどうなる?
退去費用が高額になると、すぐには払えないこともあるでしょう。
しかし、退去費用の請求が来ても払わないとどうなるのでしょうか。
ここでは、退去費用を支払う流れや、払えないとどうなるのかについて、下記のとおり詳しく解説していきます。
保証会社・管理会社から連絡が来る
連帯保証人に連絡がいく
それでもダメなら裁判になる可能性
1.保証会社・管理会社から連絡が来る
退去費用の請求が来ても放置していると、物件の管理会社や保証会社から退去費用についての連絡が来ます。
はじめは、電話での催促ですが、払わずに放置していると郵送で督促状が届くようになります。
督促状も無視すると次のステップに進んでしまうので、払えるのであればこの段階で支払うのがベストです。
しかし、なんらかの理由があって払えない場合は、その旨を伝え、相談するようにしましょう。
2.連帯保証人に連絡がいく
管理会社からの連絡を無視していると、次は連帯保証人に連絡がいきます。
その場合、連帯保証人になっている親や配偶者、友人などに迷惑がかかってしまうので、なるべく早めに支払うことをオススメします。
3.それでもダメなら裁判になる可能性
自分か連帯保証人が支払えば済む話ですが、連帯保証人の場合は連絡がつかないというケースも考えられます。
その場合、家庭裁判所から通知が来て、それも無視すると裁判に発展します。
裁判になってから「高すぎて払えない」と訴えても受け入れてはくれません。
裁判になると、弁護士への依頼費用もかかるので、こうなる前に対応するようにしましょう。
払わなくていい退去費用もある?国土交通省のガイドラインを確認しよう!
請求される退去費用の中には、払う必要のないものが含まれていることがあるので、注意が必要です。
入居者は退去時に原状回復の義務がありますが、新築同様に戻す必要はありません。
国土交通省が定めた「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(以下、原状回復ガイドライン)」では、下記のような傷や汚れについて、借主が負担する必要はないとしています。
通常の使用の範囲内で発生した損傷や汚れ
経年劣化による損耗
出典:国土交通省住宅局「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」
具体的には、下記のような傷や汚れは、借主の負担にならないのが一般的です。
家具や家電の設置による床やカーペットのへこみ
テレビや冷蔵庫の設置による壁の黒ずみ
日照など自然現象によるクロスや畳の変色
修繕が不要な程度の画鋲やピンの穴
破損や紛失のない鍵の交換
寿命による設備の故障
災害による窓等の破損
ただし、特約によって上記のような損傷も借主負担とできます。
原状回復の負担範囲について、契約書や特約の内容をよく確認しておきましょう。
原状回復や負担範囲の詳細は、こちらの記事をご覧ください。
関連記事:【賃貸】原状回復とは?ガイドラインによる定義や負担範囲を徹底解説! | 初期費用分割のスムーズ (smooth.jp)
退去費用が払えないときの対処法
先述したように、退去費用はなるべく早めに対処することが重要です。
しかし、退去費用が高額すぎてどうしても払えないこともあるでしょう。
退去費用が払えないときの対処法について、下記のものを解説します。
大家さんに交渉する
カードローンを組む
対処法1.大家さんに交渉する
基本的に、退去費用(原状回復修繕費)には通常の使用で起こる損耗は含まれません。
これは貸主側、つまり大家さんが負担する費用になります。
しかし、大家さんが負担するはずの費用が入居者に請求されてしまい、退去費用が高額になっているケースもあります。
その場合、まずは明細書を確認し、大家さんに交渉するようにしましょう。
対処法2.カードローンを組む
一番は、分割払いにしてもらうことですが、難しい場合はカードローンなどを検討するようにしましょう。
しかし、カードローンを利用した場合は利息が発生するので注意が必要です。
カードローンの中には、一定期間無利息でお金を借りられる場合もあるので、チェックしてみてください。
次の物件で退去費用を安く抑えるためにできること
入居時や普段の対策で、退去費用は安く抑えられます。
退去費用を安く抑える方法は下記のとおりです。
原状回復の負担範囲を確認しておく
入居時の状態を記録しておく
普段から手入れしておく
それぞれ解説します。
1.原状回復の範囲を確認しておく
契約時に、原状回復の負担範囲をよく確認しておきましょう。
国土交通省の原状回復ガイドラインでは、負担範囲についての考え方を示していますが、法的拘束力まではありません。
ガイドラインに反する内容でも、特約に定めがあり、契約書にサインをした以上は修繕する義務が発生します。
借主側に不利な内容があれば、事前に確認し、ガイドラインに沿った内容に変更できないか交渉しましょう。
2.入居時の状態を記録しておく
傷や汚れなど、入居時の状態を写真や動画に記録しておきましょう。
自分が付けた傷や汚れではない証拠を残しておけば、余計な退去費用を抑えられます。
撮った写真や動画は、管理会社と共有しておくのがオススメです。
管理会社によっては、チェックリストや現況確認書などで入居時の状態を共有するところもあるので、積極的に活用しましょう。
3.普段から手入れしておく
退去費用の根拠となる傷や汚れが残らないように、普段から手入れしておきましょう。
風呂や洗面台などの水回り、キッチンの傷や汚れは修繕が発生しやすい箇所です。
日頃からキレイにしておけば、退去費用を抑えやすくなります。
下記のような傷や汚れは、借主の負担となるのが一般的なので、とくに注意しておきましょう。
ペットによる傷やニオイ
壁への釘やネジの使用
タバコの不始末による床やカーペットの汚れ
重いものを落としたことによる床のへこみ
不適切な使用や手入れを怠ったことによる設備の故障
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引っ越しの際は、退去費用だけでなく、さまざまな費用がかかります。
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まとめ
退去費用は払えないからと言って、そのまま放置していると別のトラブルに発展する可能性もあるので、なるべく早めに対処するようにしましょう。
高額で払えない場合は、大家さんに直接交渉する、もしくはカードローンなどを検討してみてください。
請求される退去費用の中には、借主が負担すべきでないものが含まれていることがあります。
契約書や国土交通省の原状回復ガイドラインを確認して、不要な出費を抑えましょう。
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