更新料を支払って継続的に住むのか、別の賃貸物件に引っ越すのか迷っている方も多いのではないでしょうか。しかし、更新料について分かっていないと、どちらが良いのか正しい判断はできません。
そこで、この記事では賃貸物件の更新料について詳しく解説していきたいと思います。相場や更新料の支払いについても解説しているので、更新期限が近づいてきた方は参考にしてみてください。
そもそも賃貸の更新料ってなに?
初めて一人暮らしをしている方などは、「そもそも更新料って何?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。更新料とは、賃貸物件の契約を更新する際に、オーナーさんや大家さんに支払う費用のことをいいます。物件によっても異なりますが、一般的に賃貸物件の契約期間は2年間が多くなっています。
更新料の支払いはいつ?
更新料の支払うタイミングは物件によってさまざまですが、一般的には契約期間が終わり、更新するタイミングで支払うケースがほとんどです。
つまり、契約期間が2年間の物件なら2年ごとに支払うことになります。契約期間満了日が近づくと、管理会社から郵送で契約更新についての案内が届きます。その案内に更新料の支払いについても記載があるので、確認するようにしましょう。
賃貸物件の更新料の相場はどのくらいなのか
賃貸物件の更新料はどれぐらいかかるものなのか、不安な方も多いでしょう。更新料の相場は「賃料(管理費などを除いた)の1か月分」になります。
しかし、地域や物件によっては賃料の1.5か月分や2か月分かかる場合もあるので注意が必要です。
更新料以外にも更新手数料がかかることも
更新料を支払うタイミングでは、更新料以外にも費用が発生することがあるので注意しましょう。更新料以外にかかる費用は、主に「更新事務手数料」と「火災保険料」の2つです。
更新事務手数料は、オーナーさんや大家さんではなく管理会社に支払う費用になり、相場としては賃料の20%~50%程度でしょう。
また、契約更新のタイミングでは火災保険料もかかります。火災保険料の相場は1万円~2万円程度です。更新事務手数料や火災保険料以外にも、保証会社を利用している場合は「保証料」も発生する可能性もあるので頭に入れておきましょう。
それでは、更新料の例を見ていきましょう。
■家賃8万円 8万円(更新料)+4万円(更新事務手数料)+2万円(火災保険料) =14万円
このように、更新事務手数料や火災保険料も発生すると契約更新のタイミングで大きな出費となってしまうこともあるので、更新するか引っ越すか慎重に考えるようにしましょう。
更新料は地域による?更新料なしの地域とは
賃貸物件の更新料は、すべての物件でかかるわけではありません。物件にもよりますが、地域によっても差があることが国土交通省の調査が分かっています。
国土交通省が平成19年に行った「民間賃貸住宅に係る実態調査」では、次のような結果になっています。
都道府県 | 徴収率 |
---|---|
北海道 | 28.5% |
東京都 | 65.0% |
神奈川県 | 90.1% |
埼玉県 | 61.6% |
千葉県 | 82.9% |
愛知県 | 40.6% |
京都府 | 55.1% |
大阪府 | 0% |
兵庫県 | 0% |
広島県 | 19.1% |
愛媛県 | 13.2% |
福岡県 | 23.3% |
沖縄県 | 40.4% |
上記のとおり、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県などの一都三県では、高い割合で更新料が徴収されていることがわかります。それに対し、大阪府、兵庫県のように更新料がまったくかからない地域もあるようです。
このように、賃貸物件の更新料は地域差がありますが、九州や四国の物件でも大家さんが東京都の人で、更新料を徴収するといったことも考えられます。
賃貸物件の更新料は必ず支払うものなのか
地域によって更新料があったりなかったりするなら払わなくていいのでは?と感じる方も多いでしょう。2011年の最高裁判例では、「更新料は、一般に、家賃の補充ないし前払、賃貸借契約を継続するための対価等の趣旨を含む複合的な性質を有するものと解するのが相当である。」とされています。
つまり、継続して居住地を提供してくれる大家さんやオーナーさんへの謝礼的なものといえます。それでも、更新料の支払いに納得がいかない方もいるでしょう。実際、更新料の支払いが必要かどうかは契約書を見れば分かります。そのことについて、次で詳しく解説していきます。
契約書を確認する
更新料の支払いが必要かどうかは、賃貸契約書が重要なポイントとなります。賃貸物件の更新料は法律で決められているものではありません。
しかし、賃貸契約書に「契約更新時に更新料の支払いが必要」などと記載がある場合は、支払いの義務が発生します。法律で決められていないからといって支払わなくていいというものではありません。契約時にはしっかりと賃貸契約書を確認するようにしましょう。
更新料を支払い忘れると強制退去の可能性も
更新料の支払いを拒否したり忘れると、場合によっては強制退去になる可能性もあります。契約解除と退去を同時に求められることはほとんどありませんが、トラブルになることもあるのできっちり支払うことをおすすめします。
更新料が高すぎると思うなら値下げ交渉などをして少し下げてもらうのも1つの手段です。更新料は一般的に賃料の1か月分~2か月分ですが、中には3か月分を徴収する物件もあります。万が一、更新料が賃料の3か月分を上回った場合は、高すぎると判断して交渉するのもいいでしょう。
まとめ
賃貸の更新料はすべての物件で徴収されるものではありません。また、地域によっても差があり、東京などの一都三県は高い割合で徴収されるのに対し、大阪などの関西圏では徴収されない物件が多くなっています。
更新料の支払いは法律で決められているものではありませんが、賃貸契約書に記載がある場合は支払いの義務が発生します。契約時は賃貸契約書をしっかり確認するようにしましょう。この記事が少しでも参考になれば幸いです。